2004年 09月 20日
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番/ゲルバー |
本気だか冗談だかよく分からないようなジャケット写真(しかも透明トレーのデジパック仕様のため、開くと2倍の大きさでこの目が迫ってくる…)ですが、内容は非常に充実したものです。
演奏時間は、16:34/10:36/13:35(拍手が入っているので、それを除いた実測値)と、テンポは通常よりやや遅め。音色の野太さと相まって、かなり大柄な恰幅の良い演奏という印象を受けます。しかし、ライブ録音だけあって、ソロ、オケともに燃焼度がものすごく、第3楽章などは本当に燃え立つような大熱演を聴かせてくれます。
ここのところ、この曲では明晰さや切れ味を全面に出した、若手~中堅ピアニストによる録音が多かった中、久しぶりに「グランドマナー」という言葉を思い出させてくれる熱い演奏に出会えました。クレジットを見る限りでは、ライブの一発録り収録のようですが、技術面でもまったく破綻はありません。指揮者のカラブチェフスキは、ゲルバー(アルゼンチン)と同じ南米出身(ブラジル)の若手だそうで、息はぴったり、ピアノの高揚にあわせてオーケストラも激しく高揚させていく手腕はなかなかのものです。
ゲルバーは、来日公演でこの曲を取り上げたことがあり、その際も大絶賛されたそうですが、確かに納得できるものがあります。とはいえ、レコーディング・レパートリーだけを見ていると、ベートーヴェンやブラームスをDENONやEMIに堅実に入れていた人、という印象が強いだけに、この盤での強烈な爆発ぶりには驚かされました。
録音の方は、十分明晰なのですが、ピアノとオケが最強音でぶつかった際に、ピアノがややマスキングされるような感じがするのが残念。アルゲリッチやラン・ランのライブ盤も万全な録音とは言い難いものでしたが、ピアノ、オケ共に広いダイナミックレンジを持つこの曲をライブで収録するというのは、非常に困難を伴うものなのでしょうね。
それにしても、最近のTRANSARTの精力的なリリースには目を見張るものがあります。日本へはマーキュリーという代理店(旧フィリップス系のマーキュリーとは別会社と思われる)が輸入しており、実売価格は2500円前後とやや高めなものの、日本語の解説と帯を付けるなど、丁寧なパッケージングがなされており、好感が持てます。
* TRANSART/TR 127
* ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 op.30
* ブルーノ・レオナルド・ゲルバー(ピアノ),イサーク・カラブチェフスキ指揮 スイス・イタリア語放送管弦楽団
* 録音:1997年11月14日 ルガーノ、国際会議場(ライブ)
演奏時間は、16:34/10:36/13:35(拍手が入っているので、それを除いた実測値)と、テンポは通常よりやや遅め。音色の野太さと相まって、かなり大柄な恰幅の良い演奏という印象を受けます。しかし、ライブ録音だけあって、ソロ、オケともに燃焼度がものすごく、第3楽章などは本当に燃え立つような大熱演を聴かせてくれます。
ここのところ、この曲では明晰さや切れ味を全面に出した、若手~中堅ピアニストによる録音が多かった中、久しぶりに「グランドマナー」という言葉を思い出させてくれる熱い演奏に出会えました。クレジットを見る限りでは、ライブの一発録り収録のようですが、技術面でもまったく破綻はありません。指揮者のカラブチェフスキは、ゲルバー(アルゼンチン)と同じ南米出身(ブラジル)の若手だそうで、息はぴったり、ピアノの高揚にあわせてオーケストラも激しく高揚させていく手腕はなかなかのものです。
ゲルバーは、来日公演でこの曲を取り上げたことがあり、その際も大絶賛されたそうですが、確かに納得できるものがあります。とはいえ、レコーディング・レパートリーだけを見ていると、ベートーヴェンやブラームスをDENONやEMIに堅実に入れていた人、という印象が強いだけに、この盤での強烈な爆発ぶりには驚かされました。
録音の方は、十分明晰なのですが、ピアノとオケが最強音でぶつかった際に、ピアノがややマスキングされるような感じがするのが残念。アルゲリッチやラン・ランのライブ盤も万全な録音とは言い難いものでしたが、ピアノ、オケ共に広いダイナミックレンジを持つこの曲をライブで収録するというのは、非常に困難を伴うものなのでしょうね。
それにしても、最近のTRANSARTの精力的なリリースには目を見張るものがあります。日本へはマーキュリーという代理店(旧フィリップス系のマーキュリーとは別会社と思われる)が輸入しており、実売価格は2500円前後とやや高めなものの、日本語の解説と帯を付けるなど、丁寧なパッケージングがなされており、好感が持てます。
* TRANSART/TR 127
* ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 op.30
* ブルーノ・レオナルド・ゲルバー(ピアノ),イサーク・カラブチェフスキ指揮 スイス・イタリア語放送管弦楽団
* 録音:1997年11月14日 ルガーノ、国際会議場(ライブ)
by ucc3apde
| 2004-09-20 08:51
| 協奏曲